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自分の指導力に自信がないからって社員に感動朝礼とか職場の教養とかやらせるのやめてください

私はまだまだ経験が浅いですが、それでもこれまでに仕事で何社も訪問しましたし、いろんな業種の企業からお仕事を頂いてきたわけですが、結果的に私が知っている会社でうまく行っているのは、実力本位の仕事、工夫しつづける経営陣、社員の満足度が揃っているところです。決して、やる気とか感動とかではないです。もちろんそういう要素もあったほうがいいですが、それは社員が結果的にたどり着く境地であって押し付けるものではありません。今回はちょっと辛辣に書かせてもらいます。

自己啓発教材に頼るのは自分がリーダーの器じゃないと宣言しているようなもの

ただの馴れ合いと精神論の場を勉強会とか研究会と称して従業員の課外時間を奪うなかれ

家族経営の二代目社長に多いんですが、どうしていいかわからないのか、こうした自己啓発系の団体に所属し、まるでそれが本業であるかのように世話を焼き、従業員を参加させているケースがあります。以前、私も付き合いでその手の会にゲスト参加したことがありますが、正直言って関わらなくて正解だと思いました。まず、社長たちは楽しくお勉強なんですが、そこに連れてこられている従業員の方からその会の話を聞くと、業務でもないのに異様に高い水準のレポートを毎月求められ、そのせいで帰宅が遅くなる、絶叫しながら朝礼して社員同士抱き合ったりしているのについていけない、そもそもためになっていると思っているのは社長だけだ、などと、まあ悪評が出るわ、出るわ。立場上、あんなものはやめよう、とはとても言えないでしょう。その場合社員の立場というのは辛いものです。

ちなみに、その会の支部長から電話勧誘があり、「絶対勉強になるから。あなた若いんだから勉強しなさいよ。毎月たったの5000円だよ。安いもんじゃん」って言われましたwまあ、「高いかどうかと、勉強になるかどうかはこっちが決めることだし、そうやって圧力かけて勧誘しないといけない程度の魅力の会ならやめておきます」って言ってガチャ切りしてから一切連絡が来ないwそもそも一人でやってるのにそういう会に参加したらただでさえ少ない時間がなくなってしまう。

また、社長が毎週早朝から集まる義務を負う会も有名ですが、あれも私はちょっと理解できません。実際、私だけではないようですよ。その会の名称で検索をかけると予測フレーズに「洗脳 気持ち悪い 辞めたい」などとあります。それが世間の声、ということです。あれはお互いの関係性をビジネスの都合で縛り付け会費は中央に吸い上げられるという見事な集金システムだと言えるでしょう。経験者によるとしがらみがあって、辞めるのも一苦労だそうです。だいたい毎週仕事を紹介しあわないといけないそうだけど、そういう場合、葬儀屋はどうなるんだろうw

従業員だけでなく、社長もしがらみやプレッシャーで悩んでいるのです。確かに、自己研鑽、成長は大切ですが、だからこそ、教材は慎重に考える必要があります。

うまく行っているところは何をやっている?

一方、優れた経営をしている企業でも勉強会などを活用していますが、それはもっと技術的なテーマとか、仕事のクオリティを上げる方法、あるいはIT関係、税務、そうしたなにか明確なテーマと体系立てられたコンテンツがある勉強会です。業務や売上が改善すれば、会社の雰囲気も良くなるしやる気も出るというものです。なのになぜ、人は精神論に傾倒し、必死に参加することが目的になっている勉強会に多額の費用と時間をつぎ込むのか??

あと、本業が忙しいから、そのようなことをやる暇がない、というのもよくある話です。私の知り合いには、そんな暇あったら美味しいランチでも食べてみんなで合コンでもやろうぜーって社長さんもいますが。。。。w

一番に考えるべきは業績の向上 勉強会疲れを起こしている会社はやるべきことから逃げている

まず稼ぐ仕組みがあっての人間関係と成長

企業活動の本質は利潤の追求であって、まずそれがなければ従業員の人生が幸せにならないじゃないですか。もちろん、指示待ちで何もしない人は困りますが、そういう人に精神論とか感動とかぶつけても一切無駄です。生産性を高める努力よりソッチのほうが優先順位が高いと思っているから(難しい話より気合とかのほうがわかりやすいしみたいな)、苦しい状況を脱出できないのではないか、と思うんです。私はそういう会社では働きたくないですし、ウェブ制作にしろ、企画にしろ、関わってもあまり業績に寄与できる気がしません。実際そういう社長は外部の専門家に対しても高圧的だったり、わがままを通そうとしたり、言われたことを理解しようとしなかったりします。正直こういうところはコンサルを入れてもウェブ戦略を立ててリニューアルなどしてもよくて頭打ち、先細りは確定です。私のせいじゃないところで成果が出ないので私はそういうところとはお仕事しません。

新商品開発、業務システムの改善、ITによる効率化、現場からのフィードバック、色々やるべきことはあるはずだし、リスクをとってもチャレンジしたほうがいいこともあると思います。うまく行っている企業はそういうことを日常的に取り組まれています。自社でできなかったら優秀な外部の専門家を寄せますし。だめなところほど、そういう仕組みづくりから逃げています。いつまで経っても改善していかないから、そういう企業ほど、壁に恩着せがましい標語のカレンダーを張ったり、悪名高い「モチベーションアップ株式会社」のセンスのないポスターを掲示している。どんだけ社員を信用してないんだ。社員を信用できずに会社経営が務まるなんて、どんだけ甘いの。

関わる人達が自発的に動くかどうかはリーダーの人格や行動によって決まるという当然のあれ

自信がないとか言うくらいならその椅子を誰かに譲ってくださいよ。

勉強がしたかったら電子書籍でも本でも動画でも、手軽にいろんな教材に触れられるし、自ら行動して示すべきことってあるはずです。自ら指導力を発揮できないリーダーは罪です。向いていない仕事をやるのは誰も得しないことです。家業だからと安易に継いでしまうのも考えものです。

一方で、二代目だからこそ取り組まなければならない事がわかっていらっしゃって従業員満足度も高く、残業もさせず、離職率の低い会社経営をされている方を何人か知っていますが、やっぱり仕事の仕組みづくりがきちんとしています。ちゃんと利益を出せるように、安請け合いはしませんし。外部の人間から見ても、そういう企業はとても魅力的です。打ち合わせをしても、どんどんアイデアが生まれてくる化学反応を起こしていきます。そういう打ち合わせってすごく楽しいんです。私が思うに、社員の方も巻き込んで、どんどん活発な意見交換がなされるような空気こそが、中小零細企業が粘り強く生き残っていくための最低限必要な要素です。

やる気とか感動は、その後の副産物です。

まず、行動。工夫。そしてPDCAサイクル。シンプルでガチだから、だからこそ、逃げずに取り組んでいかないといけないと思いますよ。

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