業者のリスティング広告代行手数料のからくりを暴く

グーグル広告などのリスティング広告を代行する業者が設定する代行費用にはさまざまありますが、私が納得いかないのがこれ。

広告費用のn%が運用代行手数料です!というモデルのからくり

工数と相関関係がないのに広告予算に従量課金する謎

最もよく見かけるのがこの課金モデルです。確かに、毎月1万円の広告費と毎月20万円の広告費とでは予想される反応数は大きく違います。広告予算が高いほうが原理的には圧倒的に多数のインプレッションを獲得します。ただ、管理する作業としては、じゃあ20倍の開きがあるんですか、というと、決してそんなことはありません。

確かに費用が多いなら広告のバリエーションを増やしたり、複数のキャンペーンを走らせたり、やれることが増えるのも確かですが、予算に合わせてそのような水平展開を提案してくれる業者はいったいどれくらいいるのでしょうか?無駄なクリックを省くために手を尽くしてくれるでしょうか?

にもかかわらず、広告費用に対して一定割合の手数料というのが多いのです。

広告費用のn%モデルだと、営業マンが広告予算を吊り上げる提案をしてくる

そういう代理店は広告費用と手数料が比例する仕組みなので、当然広告費用が高くなればなるほど売上が跳ね上がります。そのため営業担当者が広告費用の追加投入をプッシュしてくるのです。確かに、適切に運用されていて利益が出ているのであればある程度は恐れずに追加の予算を検討すべきですが、同時にターゲット外のクリックを抑制したりターゲットそのものの絞り込みや配信時間や地域の絞り込み、クリック単価の抑制を工夫していかなければ効果は最大化されません。

荒っぽい書き方をすると、広告費用に対して一定割合の課金というモデルは

「的外れな見込み客外のもふくめてクリック数をとにかく増やし、最大クリック単価も優先度の低いキーワードも一律に高く設定し、予算消化を加速させることで業者への手数料が簡単に高騰させられる」

というものなのです。

ですから、ひどい業者だとターゲティングの上で良質なクリックによる見込み客発掘に予算を集中させることの重要性をクライアントに説明しないでしょうし、成約率が高くクリック単価の安いキーワードを発掘する努力もしないでしょう。成果の指標がクリック数だけだと、こういう悲劇を生みます。

広告のバリエーションを2,3点作って動かすにしても、予算1万円と20万円ではやることは変わりません。予算を多く投入するのであれば、予算スケールに応じてどのような作業が発生するかをきちんと説明してもらうとよいでしょう。

広告予算に応じて柔軟にプランを提案してくれるかどうか

工数は予算と必ずしも比例しない

とはいっても、毎月1万円だと平日で日割りすると一日の予算はおよそ500円。やれることには限りがあります。たいていのクリック単価はライバルとオークションで競うことになります。その結果、例えば1クリック当たり200円の単価だとすると、一日に広告からサイトに流入させられるのは2人ということになります。これでキャンペーンや広告を何種類も試すのはあまり効率的とは言えません。取り扱うテーマや予想クリック単価にもよりますが1万円@月だと1つのキャンペーン、広告は3種類くらいがいいかと思います。

これが毎月予算10万円だとしたら、一日に5000円ぶんのクリックを獲得できるため、単価200円だと25人をサイトに誘導できます。そのくらいのスケールであれば、どの広告が最も効率が良いかを調べる意味でも複数の手法を試すことができます。ただ、予算が10倍になったところで労力が10倍になったわけではなく、肌感覚ではせいぜい3倍程度です。もちろん企業なので儲かるモデルを作るのは当然といえば当然なのですが、広告予算と代行費用は切り離して考えたほうが健康的です。

でないと、広告費用の無駄打ちを減らす努力をせずに、広告費用の追加ばかりを考えるようになってしまうのです。

ですから、私の場合は広告にかける予算ベースではなく、工数ベースで見積を作ります。なので、最初の1か月目は企画、セットアップ、調査費用が加算され、2か月目からは観測と修正と助言が中心なので比較的低コストで運用していただけます。

成果指標はクリック数のアップだけではない

成約率、売上、リピート率などほかにもいろいろな要素がある

コンバージョン(成約)も見逃せない要素というか、一番重視すべき点です。売り上げとコストの比率、成約率がキャンペーンの結果として最も重要です。たいていの目的は売上アップとか資料請求のアップですから。

低燃費高出力を目指すのがウェブ広告運用において重要だが、従量課金だとそれを達成すると代理店が減収になる→低燃費化の努力をしなくなる!?

繰り返しですが、クリック数だけが高くなっても広告として費用対効果が優れているかどうかとは無関係です。適切なターゲットに配信して、見込み客の可能性が高いターゲットの流入を増やすことが重要ですし、見込みの薄いユーザーのクリックを除外する工夫をすることで予算を温存し、より多数の質の良いアクセスを得るチャンスが残せることになります。燃費が良くなるというわけです。

この燃費をよくするにはちゃんとした管理ができる人間が必要なのです。ここが代理店の腕の見せ所の一つですが、従量課金タイプの代行費用モデルではそれをやると減収になるわけです。そうなるとわざわざ減収になるような業務に担当者は全力を尽くしてくれるでしょうか?

だったらそんな課金システムなどないほうがいいよね、と思うのが当然ではないでしょうか。

しかしクライアントの立場からすると、限定された予算で得られるリターンを最大化することを求めるのは当然です。ということは、リスティング広告業者とクライアントの利益は逆方向を向いており矛盾します。つまり、従量課金型ではクライアント目線に立った提案ができないのです。

今回はリスティング広告の代行費用は予算の一定割合という価格設定のからくりについて私の愚見を述べました。ご参考になれば幸いです。

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