わたくし、お仕事的にはPPC広告でもチラシ制作でもどちらでもお引き受けすることは可能でございます。あまりチラシは得意ではないけど、頼むわとご指名があれば、やります。なので必ずしもPPC広告(Google AdWordsなど)やFacebookページの広告のようなネットメディアを使った広告に偏った提案をするつもりは毛頭ございません。では、なぜPPC広告に興味を持ったのでしょうか。その辺を少しお話したいと思います。
一般的な特長としてのPPC広告とポスティングの違い
PPC広告
- ペーパーレス
- 検索者など興味を持ったユーザーに対して表示される
- クリック課金など、意欲の高い見込み客に対してのみ課金される
- 設定とかが結構大変だしノウハウも素人には難しい
- 予算が比較的自由に決められる
- スマホからのアクセスが期待できる
- ダイレクトにホームページやランディングページを読ませ、動機をもたせやすい
- どこにいても改善作業ができて拡散に時間コストがかからない
ポスティング・チラシ
- 非常に細かく配布エリアを選択できる
- ネットを使わない人に訴求できる
- 印刷、デザイン業者に任せれば良く、ノウハウを持った発注先に困らない
- 自作のハードルが低い
- 捨てられてしまう
- 興味がない人にも配布することになるのでロスが発生する
- 配るという作業に費用か時間が掛かる
だいたいこんなところでしょうか。それぞれに一長一短あります。
初めてやってみたPPC広告から得られたこと
私が初めてPPC広告にトライしたのは学習塾の夏期講座についての集客でした。初めてなので、今よりもずっと知識がない、というか、ゼロでした。いろいろ調べたり勉強しながら、自らのポスティングと同時進行でAdWordsの出稿にチャレンジしたのです。
結果から言うと、それなりに成功で、これを毎年継続することでライフタイムバリューが累積していく手応えは十分にありました。リピーターが増え、毎年獲得した分も上乗せして収益が伸びる道筋がたちました。わずか2万円を広告に投資し、一人3000円の半日講座で13人の参加者が集まりました。小さな小さな勝負でしたが、得体の知れないネットの広告によって僅かな収益を得られたことは私にとって大きな手応えでした。日程が分散していた都合などで収益性は今ひとつでしたが、これを二年、三年とやっていくことで口コミ効果も合わせて利益が出せるようになったことでしょう。また、参加者もとても意欲の高い子どもたちが集まり、保護者の方もリテラシーが高いと推察される方々でした。
なぜ推測のままかというと、2年目からはそのプロジェクトから降りたからです。その先どうなるかを見てみたかった気持ちがないわけではありませんが、この効果と価値を理解してもらえなかったので終了としました。同時にポスティングをしたと先に書きましたが、これは真夏に汗だくになり、不審者扱いされながら800件ほど配りましたが、800件程度では駄目だといいます。1000枚で1件問い合わせがあるかどうかというのが一つの基準だと聞きました。ちなみにポスティングに関しては、丸一日かけて、配れる人は1200枚程度だそうです。その中に興味を持ってくれる人はどれだけいるのかね?
ところで学習塾のチラシというのは、割と胡散臭く見えるものです。地域でそれなりに知名度を上げていくには時間をかけて反復して知名度を上げる作業をしなければなりません。このケースでは準備に使える期間は1ヶ月、単発のイベントでした。知名度のないエリアでの勝負ですから、信頼を得やすい方法を取らなければなりません。きちんとしたウェブサイトに誘導するというのは一つの方法でしょう。
スマホで情報収集をするのが当たり前になっている人たちに絞る
PCやスマホを持っていても、検索をしない人たちが存在することをご存知でしょうか。もしあなたが検索しない人だったらごめんなさい。たとえばPCはよくわかんないし、持ってない、スマホはあるけどLINEとグノシーとソシャゲーしかやらない、と言う人が一定数います。道具の使い方は個人の自由ですが、10万円を超えるデバイスを持っていて検索をしないというのはもったいないような気がします。ええ、これは独り言です。その逆に検索をする人というのはものすごく検索という行動を取るための心理的ハードルが低いものです。この属性の人達は一般的に情報処理能力が高いということになります。何か困ったことがあれば、検索によって解決策を探します。緊急性が高ければ高いほどです。
緊急性が高いテーマほど検索広告が効く
その理屈で言えば、自動車ガラスやパンク修理のような、トラブル対処型のビジネスとPPC広告は非常に相性がいいといえるでしょう。先の例では、夏休みという限られた期間に、問題を解決したいという緊急性と見込み客の検索行為が上手くマッチしたということです。これはとてもわかり易い例だと思います。しかし、検索する習慣がない人はこのようなシチュエーションだと知人に電話で聞いたり、フリーペーパーを手繰ったりするわけです。検索慣れしている人と売り込みたいサービスの相性を一度立ち止まって考える必要があります。
地域の中に点在している潜在顧客とその行動を見つけ分析する
ポスティングを名古屋市全域に行うとしたら一瞬でパンクします。しかし、名古屋市全域の中で興味のある人にだけ広告を見せることができたら。。。学習塾は数あれど、企画の内容によっては、遠くからも集客できる可能性が十分にあります。その他、地下鉄で3駅じゃん、とか、今週は子どもを預ける場所がほしい、といった動機が後押しして近くの人が反応するので最寄り駅や路線名などのキーワードも見逃せません。これらの仮設と検証の繰り返しによってノウハウが蓄積し、洗練されていきます。
より効果を引き出す検証と改良
これらの戦術を駆使していけば、より低予算でより意欲の高い顧客に情報を届けられます。さらに、A/Bテストや出稿して得られたユーザーの反応、実際に検索されたワード、クリック率などを見て改良していくことで無駄な予算の消化を抑え、より意欲の高いユーザーに広告をクリックして貰う機会を増やすことができます。
ここだけの話、情報リテラシーが高いユーザーにリーチする特性があるため、高品位なサービスとの相性が良いかもしれません。ただし、リテラシーが高いということは判断力が高く、価値判断がシビアであり、警戒心が強いという特性と表裏一体です。そこは十分注意する必要がありますが、私はそこであまり華美ではない誠実な広告ライティング、見やすいサイト、過不足ない情報提供に務めるのが王道だと思います。