給食は美味い方がいい ロジスティクスから考える解決策

横浜市大磯町の学校給食が「まずい」とか、「不衛生」ということで問題になってからしばらく経過したわけですが、やっぱり弁当に戻したほうがいいんじゃないかとか、色々言われています。皆さんも色々ご意見があるところだと思います。

長くなるので先に書きますが、コンビニとかイオンみたいな全国規模の大企業のノウハウで解決できませんかね、という提案です。

生きるためのカロリーを給食で獲得するこども

ところで、わたくし、教員免許を持っておりまして、非常勤ではありますが美術科での実務経験もございます。免許を取得する前にご存じの方も多いと思いますが、【教育実習】として課程に応じて小学校やら中学校、高校に3週間ほど詰めて勉強させていただくのです。大学生になってこうした学校に戻ってみると、自分が児童生徒だった頃とは違う景色を否応なしに見ることになります。機密保持の誓約をしているので難しい話ですが一般論として。

私が驚いたのは、学校給食が一日にとれる食事のほぼ全てという生徒も決して特別なケースではなく、そこかしこにいるということ。家に帰ってもご飯が食べられない。学校給食が一番のごちそう。そういう生徒もいます。こどもの貧困というテーマがようやく認知されるようになってきましたが、それは私学に進学できないとかそういうレベルではありません。文字通り、食えないから発育にも支障が出ているとか、衛生管理が行き届かないとか、そういうことが実際にあります。学校給食があるから生きて行けているこどもがいるということは事実です。

大人たち全員のチカラでうまいものを食わせてあげようよ

それを踏まえて私は「学校給食は(予算の制約があるものの)十分な栄養で美味しいものを食べさせるべき」と思っています。特に義務教育では。個人的には義務教育の給食は所得税でも法人税でも住民税でもいいんですが、もう税金でやったほうがいいんじゃないかと思いますがいかがでしょうか。孫世代のために一日150円ずつくらい使いませんか?と。ひどい学校だと8割が給食費未納というクラスもあるらしいですよ。伝聞で申し訳ないのですが、2割しか払ってないんです。信じられますか?

給食、美味しかったですか、まずかったですか?

ある意味、給食がまずかったという記憶が強い人は、家庭で食べてきたもののほうが美味しい、親の料理がおいしい、という基準とセットになっている部分も否定出来ないと思います。もちろん最近の給食、平成生まれの世代になってからの給食は色々と工夫をこらすようになってきて一般的に美味しくなったという評価が多いようです。実際、私も実習で食べた時、自分が子供だった頃に比べてややグレードアップしていたような気がします。パンにジャムが必ず付いていたりとか。あの巨大なコッペパン(無味)と味噌汁付き和食定食、牛乳という組み合わせは地獄だったなあ、と思いますが、それがあるから生きていける同級生がいたのかもしれないと考えると複雑な気持ちになります。

義務教育の期間給食を食べるとなると、ざっくり言って9年間の食生活の30%くらいは給食ですし、その9年間に得られる栄養の30%が給食からということになるわけです。それが不衛生だ、どうやっても食えないまずさだ、となると、私はとても「生意気言ってねえで我慢して食え」なんて言えません。連日半分くらいが残る給食なんてそれただの無駄じゃん。育ち盛りの子どもが食わないってよっぽどだぜ?

大磯町教育委 町立中の給食休止 異物混入など不評(毎日新聞)

https://mainichi.jp/articles/20171013/k00/00e/040/151000c

やっぱり、「食うことは楽しみである」というところも教育上大事なんじゃないかと思います。

弁当持参というソリューションは?

弁当持参が手っ取り早い解決策のようにも思われますが、共働きで毎日弁当を作るのは大変だし、家庭ごとの格差がどうしても出てきます。運動会で親が来ないし弁当も持たせないからお昼ごはんが食べられない子供がいることをあなたは知っていますか?さっきから書いているように、給食は貧困で困っている子どもへの救済という側面もあるのです。中学校でもできるだけ給食という選択肢を残しておいたほうが望ましいと思います。

業者選定で揉めるならもうコンビニとかイオンとかがやればいいじゃん

給食というのは、一気に数百食、場合によって数千食を毎日安定的に作らなければならないわけで、しかも普通の弁当と違って栄養バランスにも配慮が必要。栄養士がついてメニューを考えるのでけっこう大変なんだと思います。それだけのボリュームをこなすにはノウハウがいるわけで、それを自治体ごとにやっていてはマンパワーに相当な無駄が出るんじゃないかと思うんです。もう、中央で基準を決めちゃったほうがいい。厚生労働省と民間企業と栄養士でもう一度給食の基準を見直す。給食センターや学校に併設した給食室がない自治体の給食モデルを作る。廃棄まみれのコンビニ、スーパーも廃棄率が比較的低くなるであろう給食を補助金付きで作れば雇用を生み出しゴミも減る。毎日数千食の給食を供給するにはそのボリュームに慣れている、実績のあるところのノウハウやインフラを使わない手はないと思います。アレルギー対応なども素早く全国規模でできるはずです。あと、それなりに美味しく作ることができる。これ超大事。コンビニ飯だと添加物云々って言う親がかならず出てくると思いますが、めんどくさいからそういう人は弁当もたせたらよろしいじゃないですか。良心的給食の拒否ということで自由選択にしてもいいけど、今日食べるものが家にまったくないよ、という子どもにとってはそれどころじゃないし。毎日のようにコンビニで弁当買っているサラリーマンが今日も元気に働いてますし、だいたいかなり偏見があるんじゃないでしょうか。

あと、癒着どうこううんぬんって話になるかもしれませんけどこれ給食ですからね。電力会社とかそういうのと同じようなもんだと思います。財源の乏しい自治体の給食があまりに貧相で話題になることがありますが、郵便じゃないけど全国規模の基準をしっかり持つことが大事ではないでしょうか。子どもが生まれ育った地域によって格差があるのはいかがなものか。それをクリアできるのは全国的に展開しているインフラを持つ企業しかなし得ないでしょう。

配送や材料調達は圧倒的なアドバンテージ

これから高齢者世帯向けの配達などがどんどん増えていくと思われますが、そうした小回りのきく配達のついでや津々浦々のコンビニの配送のついでに給食を配達するなど、特に山間部などでは一台のトラックに相乗りできるというメリットもあります。また、大量の食材を調達したり、配給するノウハウも持ち合わせているためエラーが起きにくいのではないでしょうか。

食育の観点から見て地域多様性は保証できる

福井県に出かけた時、セブン-イレブンにとろろ巻きおにぎりが売ってました。とろろ昆布を巻いたおにぎりです。これは北陸地方では家庭でよく食べられているものです。中京地区ではあまり見かけませんし、コンビニでも売ってません。コンビニやスーパーは全国規模のチェーンを持っていても、その地域の食生活や特産品をしっかりリサーチしていてそれに合わせた商品展開をしてきたはずです。これがマーケティングの基礎中の基礎なわけで、そうした情報を活用すればよいのです。コンビニの弁当を作っているのは、その地域の工場です。県レベルで栄養と地域性をコーディネートできる担当者をつけて、岐阜県なら年に一回「小鮎の甘露煮」を出してみるとか、この季節なら「鬼まんじゅう」をデザートにつけるとか、そういうことができるはず。

 

まあ、言うだけなら簡単ですよね、と言われればそのとおりなんですが。。。
これ公共事業としてやる価値アリだと思うんですけどね。

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