勤務先の「名古屋経営会計専門学校」で日本人のほかに中国人、台湾人、モンゴル人、ベトナム人、ミャンマー人で混成された「情報技術」の授業を受け持ち始めてから2年目の冬を迎えました。最初は3人の生徒からスタートしたこの科目も、今はほとんど教室キャパマックスの18人の学生が受講してくれる人気コンテンツになりました(どやぁ~)。
今回はそのクラスで取り組んでいるオウンドメディアを紹介します。
まだまだ発展途上感すごいし、留学生も記事執筆しているから日本語が怪しかったりしますが、そこはあえて大きな意味の間違いをしていない限りは添削せずに掲載しています。
webの授業が机上の空論に陥りがち
オンラインで実験する機会に乏しい問題
これまでいくつかの学校でウェブデザイン系の授業を担当してきた経験がありますが、少なくとも私が体験してきた環境ではサイトの作り方やデザイン、コーディングを学んでも実際にネット上で反響を得る経験をさせるところまではなかなか至れていませんでした。実際のところ、教材費でサーバを借りて、学生に習作をアップさせたりすることも可能ですが、ウェブサーバとクライアントの関係性を理解させることはできても運用の話まではなかなかたどり着けないはずです。
専門家の不足が招くウェブ運用伝授のエアポケット
そもそも現実的に、サイトやブログを立ち上げても授業の期間ではとても反響を得られるようなサイトはできないのです。たいていの場合コンテンツが薄すぎるし、検索エンジンに拾ってもらうまでに時間もかかるし、そもそもそうやってぽっと作った程度のサイトは世の中に死ぬほどたくさん漂っているわけで、アクセス解析云々をそこでやろうとしてもせいぜいBOTのクロールを人間と誤認して喜んだりする程度に陥るのではないかと思うのです。ちゃんとしたアクセス解析の技術というか、知識を持っている人間が見ないとアメブロでほとんど海外のBOTによるアクセスなのに「一日500人も見に来ているのでうれぴー」みたいなことを書いてしまう素人と同じような指導をしてしまう危険すらあるw
そういう環境的要因もあって、アナリティクスを活用してコンテンツマネジメントしていきましょう、というレベルまで話ができる授業って、なかなかないんじゃないか?と常々思っていました。そこで、比較的何でも好きなように授業を構成させてもらえるこの環境で学生や学校を巻き込んでコンテンツメディアづくりに取り組むプランを思いついたわけです。
そもそもウェブデザイナー養成講座ではなく技術運用の授業である
コンテンツマネジメントとマーケティングこそ彼らのカギ
学校がそもそも経営と会計を学ぶ学校なので、別の専門職領域であるウェブデザインに傾倒することにあまり意味がなく、どちらかというとウェブデザイナーと共同でプロジェクトを動かす基礎知識を学ぶほうが役に立つだろうという私の提案でこのような授業形態をとっています。さらにウェブマーケティングの基礎知識を理論と実践で学ぶ仕組みがあれば心強いはずです。
オウンドメディアを自分たちで動かし、データを解析する
まず、手っ取り早いコンテンツマネジメントはブログの立ち上げです。無料ブログでももちろんその要件を満たすのですが、ここはプロらしくWordPressのサイト内にあるブログを集団体制で執筆し、その集積されたコンテンツが検索エンジン的にどのように評価されるか、アナリティクスにおいては閲覧ユーザがどのように行動したかを学生と毎週共有していきます。
この時点で、特にウェブマーケティング施策を打っていない企業サイトよりも一歩進んだ運用的管理ができていることになります。ついでに、データの読み取り方というリテラシーが鍛えられ、インチキ臭いウェブコンサルタントに騙されない強い担当者になるという効果も期待できますw
まだまだ立ち上げ直後で全然数字は上がっていないけど
10月から開始したプロジェクトなのでほとんど身内のアクセスしかない状況ですが、この授業を任せていただいている限りは、後輩へと脈々と受け継がれていく伝統となり、さらに集積されたコンテンツはより多くのアクセスを呼び込むでしょう。その先陣をきる今年の受講生が一番苦労するわけですが、やってよかったと思ってもらえるようなコンテンツに育ってほしいと思います。