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研修ゲームをいろいろ実験中

チームワークをベースにいろんな能力開発に使える研修ゲームを独自にアレンジする実験なう

今勤務している専門学校のひとつはベトナム、ネパール人がほとんどで時々スリランカ人がいるかな、くらいで構成されている30人超のクラスで、授業の内容は完全に私のアレンジに任されている(丸投げされている…?)ので、いろいろと試行錯誤しています。失敗することも少なくありませんし、言語の壁やモチベーション、学習態度の問題で正直言ってかなり学生の意欲を引き出すことが難しいクラスも中には存在します。そんな中で座学をどれだけやれるか実験してみたところ、基礎学力とベースとしての教養があるボーダーラインを超えているかどうかで明確に成果に差が出てしまいました。

毎日毎日の勉強とバイトでどうしてもモチベーションは下がっていきます。達成感を得られない状況が続くと誰でも受け身で日々を流すだけになってしまいます。それではせっかく来た甲斐がない。そこで普段から「せっかく留学するという思い切った手段をとったのだから、受け身で生きるのではなく自分で選択肢を増やしていっていろんな物事に触れていくことが大事」と何度も教えています。しかし言うだけでも響かないものです。そこで、体験型の学習を実験的に取り入れてみました。

ゲーミニフィケーションという取り組み

学習プロセスや作業をゲーム的な仕組みづくりにしたり演出することで楽しみながらより高い効果を引き出すという考え方がここ10年くらいの間で浸透してきました。教育現場ではアクティブラーニングと言って、生徒が主体的に考え、自分で調べ、まとめていくことでより高い学習効果を引き出そうという取り組みが見られます。これを留学生のクラスで応用してみました。チームワークと問題解決力、コミュニケーション力を育てること、学習意欲を引き出すきっかけになることが目標です。

例:コピー用紙10枚だけで350mlペットボトルを支えられる橋を作れ

こういう課題を出してみました。もう少し細かい条件は下記の通り。

一般的に用いられるA4サイズのコピー用紙10枚を加工して、長さ40センチ以上の橋を机と机の間に架橋する。橋の中央部に350mlのペットボトルを載せて5秒以上安定して保持する。橋と土台になる机はセロテープやノリなどで固定してはならない。コピー用紙同士の接着や接合のためにノリやセロハンテープを使うことは認める。

これを5人くらいのチームでグループ対抗としました。より長く、より重量物に耐えられるほど高い得点が得られるような競技形式にしました。まず実施したクラスはその学校で最も学習意欲の高いクラスだったため、勝利に対するモチベーションが高く、想像よりかなり優秀な作品が出そろいました。これをほかのクラスで試してみた時にどうなるかは、今週以降の実験の結果を待つことになります。

拡張要素を取り入れればもっと高度なゲームにすることもできる

たとえば、日本人の新人研修などではこれをもう少し高度なルールにして、得点を「得られる収益」に置き換え、素材は手持ちの予算から購入、限られたリソースの中でより高い利益を生むにはどうすればいいかというところまで含めた経済概念を取り入れたものにして3ラウンドくらい回すことによってPDCAサイクルを経験させることもできますし、「企業活動」をシミュレートしたものにすることができます。すでにレゴブロックなどで一定の形状のものを作成し、それで収益を出すしみゅーレーションゲームが存在しており、私も経験したことがありますが、それらをもう少し広げていくと、もっともっといろんなアイデアが沸いてくると思います。

工夫と短縮は幸せのために使おう

少し話は変わりますが、働き方改革という言葉だけが先走っていて、フォーカスされるのが労働時間の短縮とかその辺のテーマになりがちですが、労働時間を短縮するために実際にどうすればいいのか、ということを真剣に考えられる人はどれくらいいるのでしょうか。正直、経営者サイドに「そんなこと言ったって無理だよなあ」「わしの若いころは」という本音が残っている限り、状況の改善は見込めないだろうと思っています。

しかし、早く終わる、より高い成果を上げる、ということは一体不可分です。小学校の居残りドリルだって、早く終わったものから帰ってよいとなれば猛烈なモチベーションで終わらせていったものです。技術や理論を駆使して時間を短縮することは健康と幸福につながるべきなのです。「お、時短できたならもっと詰め込めるね」と労働強度のバランスをどうとるかもこれからはシビアに考えるべきです。

昔はがむしゃらにやったもんだ、と言いますが、一日に処理しなければならない情報量はITによってどんどん増えていき、交通網の発達で東京名古屋日帰りなんてのもザラだし、GPSで常に動向を監視されている時代です。情報量と加速エネルギーによるストレスはもう少し考慮すべきではないでしょうか。

今やっている実践や新たに学んだ理論を生かして、その辺を学ぶことができるゲームをどうにか作っていきたいなと思います。

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