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現場に楽しんで飛び込むからアイデアが沸く

苦しんで努力しても楽しんで没頭できるやつには勝てない、という話があったけど

私はどちらかというと、ウェブ制作やりますよーコンサルしますよーという感じの種類の人間が持たれがちなイメージと違い、どんどんクライアント様のお仕事の現場に飛び込みます。先日、ちょっと様子を見に来てほしいと依頼があって「株式会社 大装」さんの遮熱工事の現場にお邪魔してきました。

事件は現場で起こっているとかいうなんかあれのやつ

現場についたら社長の姿が見えないけど車は停まっている。一体どこだろう??とウロウロしますが、人のお家の庭でいつまでもウロウロするわけにもいきませんで、ちょっと呼び声をかけてみる。すると天から声が降ってきたw

「そこのはしごで登っておいで~」

で、そのはしごがこれです。

画像で見ると迫力半減ですな。普通に5m位あります。接点は地面と屋根の樋のところだけ。真ん中はいい感じに空中です。

「え、これ登るんですか」

「うん」

34歳、体重も池中玄太級の私にとって、この高さの梯子は恐怖そのものでしかないです。しかし、登らないと見学に来た目的が果たせない。82kgをこの華奢で長いはしごがしっかり支えられるのか・・・?いや、プロ用の道具だし大丈夫だろ。。。などと脳内問答しつつ手をかけます。

そして2階部分に差し掛かってきたあたりで「もう後に引けない」という状況、ここではしごがちょうど中央部分になるのでめっちゃくちゃしなります。柔軟性がなくていきなりポッキリ折れるのも困りますが、揺れるのも相当怖い。もう、気分は最前列ではしごを登らされて登りきったところで槍で刺されて盛大に死ぬのが仕事な感じの城攻めの農奴兵です。でも行くしかない。

なんとか登りきって、

「やあ、どうも!」

とは言ってみるものの、内心、これって降りるときのほうがもっと怖いやつじゃんと、もう憂鬱な気分でした。しかし、仕事できているんだから役目は果たさなきゃならないんです。ところで屋根に登ったのは生まれて初めて。いい天気でホント助かりました。

取材と撮影をしながら色々話を聞きます。その様子は後日遮熱の大装さんのサイトで紹介しますのでお楽しみに。ところで、こうやって屋根に登ってみるとやっぱり知らなかったことがたくさんあります。好奇心でもって、色々質問したり、自分なりに気づいたことを話したりして綿密にコミュニケーションを取ります。これが中長期的にもとても大事なことです。すべては今後のアイデアや工夫、アクションのきっかけの一つやヒントになることがあるからです。

 

アイデアの引き出しは天から降ってくるのではなく自ら降らせるのだ!

私は高校の美術教員免許がある関係で嘱託講師を数年務めておりました。デザイン畑出身なので、いわゆる絵が苦手な生徒にも楽しんでもらえるようにテーマに沿った表現やアイデアをまとめる課題などもやりました。「理想のマイホーム」とか、「100年後の携帯電話」とか、「俺の一番好きなメシの素晴らしさを日本語がわからない相手に伝える」、みたいなことをやってました。こういうのは絵が下手な方がかえって面白かったりするんですが、そのへん掘り下げるのはまた別の機会として、こういう時によく言われたのが、「アイデアが思いつかない」という困りごとです。

アイデアが思いつかないと苦労している生徒はほぼ例外なく、全く紙に何かを書いたり調べ物をした様子もなく、机の前で沈黙…。

おとなになると、言われたことを機械のようにこなすだけでは絶対にやりきれないことがあると思います。答えのないこと、不確かなことを自ら仮説を立ててトライしていく技術が必要です。

アイデアを生み出すには技術論も一つの要素です。連想ゲームのように記憶の断片、情報のパズルを組み合わせていったり、有名な「オズボーンのチェックリスト(リンク)」を活用したり、手を動かして情報を分類整理したり、周囲とコミュニケーションをとったり。。。これらが技術領域です。

そしてもう一つ、行動力も必要です。これが今回のテーマです。机上の空論という言葉があるように、理論のみではうまくいかない、という風潮がありますが、理論ももちろん重要です。しかしその理論を大きくブーストさせるのが、実際に見て、触ってみるように現場に触れる行動力です。この両方の蓄積とシンクロが多分アイデアの引き出しを開けるんだと思います。この違いはクロスワードパズルの問題の意味や言語そのものがわからないのと問題の意味と解答が推測できるから解けるの違いのようなものです。最初から一人でこもって考えるのと色々出かけたり情報交換したり勉強してから取り組むと情報量に圧倒的な差が出ます。机の前で唸るのは最終段階です。(また今度この辺の私なりの工夫や手法を書こうかと思います。)

だから私は時間の許す限り、実際に現物を見させてもらったり、体験させてもらうようにしています。商品についても、実際に食べてみたり、あれこれ質問攻めにしたりします。まだまだ経験の少ない私にはこれが必要なのです。

 

行きは良い良い帰りは怖い

さて、取材が終わりはしごを降りる時、これが一番怖かったです。足を踏み外したらそのまま3階からバックドロップ、死なないにしても大怪我は確実です。これを当たり前のように連日やっている職人さん、ほんとすごいわ。。。そういう意味でもいい経験させてもらいました。雪国の雪下ろしなんか、さらに悪天候で危険な状況で屋根に上るわけですよね。限界集落などでは雪下ろしの自己や人手不足が深刻な問題になるのもうなずけます。

うん、アイデアのタネ色々揃ってきた感じあるぞ。こういう時が一番楽しいですね。楽しいから現地に行く。知ること、気づくことは楽しいです。

好奇心と行動力が根っこにあって、記録や情報を整理したり組み合わせたりする技術があって、コミュニケーションをとりお互いに刺激しあい、そして机の前でじっくりパズルを解いていく。その案件だけでなく、これらの経験がすべて渡しの中に蓄積していき、将来的になにかの役に立つと思って日々取り組んでいます。

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