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インタビュー商法にご注意

私はウェブコンサルタントとしてだけでなくITがらみの相談とか分かる範囲で受けているんですが、へたするとそれ以上に「リテラシーの転ばぬ先の杖」として相談を受けることが多いような気がしています。今回はそんなお話です。

なんか、取材の申し込みが来たんだけど

クライアント様からの連絡でした。転送されてきたメールを拝見すると、たしかに取材依頼でした。あまりメディアどころか人前にも出ないような人が何故急に?と二人で不思議に思ったのですが、もしかしたら何かいいチャンスでもあるのではないかと思い、更に依頼者の情報を調べることにしました。

取材の成果としてのサイトを拝見したが・・・試される情報リテラシー

こんな実績がありますよと提示されたリンクを踏んでサイトを拝見したところ、確かに著名人がズラッと並んでいる。ここが分かれ目。社長のリテラシーが試されるんです。

それは、「こんなに有名な人が並んでるところがうちに取材に来るなんてラッキー!」か「待って、うちの業種と何の関係もないメディアなんだけど何が聞きたいんだろ」のどちらを思うか、なのです!正直、最初はなんかええ話しちゃいますのってなりかけましたが。。。こういう時に一回インターネットという便利なものを活用するべきなんですね。で、ググると出てくる出てくる、怪しい情報、ネガティブな評判。

色々読んだけどこれがわかりやすい。
http://weba.style/book/request_to_have_an_interview

参考リンクをメールして、即電話で、「あれはどう考えてもヤバイから検討の余地はありません。バッサリ断りましょう」と申し上げました。クライアント様は「あーそうか!やっぱりよく考えたらおかしいよね!助かったよ!ありがとう。これからもよろしくお願いします!」。信頼度が結果的にアップいたしましたので、また何か食べさせてもらえそうです。

大体、東京のメディアが特に個人情報も公開していないし顔写真も出回ってないような、中部の片田舎にある小さな会社のウェブサイトを見て高い取材費用かけて来社するだけの合理的な理由が思い当たらないですよ。一体どこで儲けるつもりなのか?そのサイトにも広告など載っていないから広告収入などなさそう。それにこんな見たことも聞いたこともないネットメディア、一体どれだけのページビューがあるのか?なぜ普通の企業の社長の取材記録がほぼ皆無なのか?そう考えると、結局取材対象から集金する目論見であることが予想できるわけです。

私も迂闊でした。もっと早く断定すべきだった。

一人では間違えることだってある

私も、ちゃんと調べる癖を身に着けていなければそのまま騙されてしまうこともあるかもしれません。インターネットのおかげで、怪しい業者が跋扈している世知辛い世の中になりましたが、同時に、インターネットによって客観的に判断できる情報を探すことができる面もあります。さらに、一度立ち止まって相談してみる相手を持つことも重要な点でしょう。スモールビジネスでもこのような判断に困るオファーが来ることは必ずあります。

同じインターネットで商売する人間として情弱ビジネスは許せない

わたしもウェブサイトを作ったり企画したり分析したりを仕事にしていますが、大事にしていることは「ちゃんといい仕事をしている優れた人やモデルの情報をほんとうに必要としている人たちに送り届ける」ことです。どんな人にも発信力が備わっているわけではなく、またアピールが苦手な人もたくさんいます。口下手とか、ネットに弱いとか。私はそんな悩みを抱える良心で仕事をされている方の良さを広めることによって、発信側にも受信側にもより良い選択肢を増やせる社会を作っていくことに関わることに喜びを感じます。ところがこのような良心に漬け込んで情報弱者たる人を合法の範囲といえ欺くようなモデルを広めるためにインターネットを利用する企業がどんどん増えている現実に強い憤りを感じます。ちょっと前ならインチキパクリ記事だらけのキュレーションサイトなども問題になっていましたが、本当に情報弱者から搾取するモデルがあちこちに跋扈している。おかしいじゃないですか、こんなの。

情報弱者でなくてもつけこまれるけど予防策を講じよう

情報弱者と言ってもバカにしているわけじゃないんです。本業が忙しかったらインターネットに詳しくなる暇なんかない、という人だっているはずです。もちろん自衛のために詳しくなるのが一番ですが、俺は詳しいんだ、と思っていてもやられる時はやられます。じゃあどうするか。もう、最後は複数人で相談することによる集合知とダブルチェックしかないと思います。誰でも急に大きな話が来たら浮足立ってしまうものですが、そう言う時に相談できる友人や顧問を抱えておくことでリスクを回避できるかもしれませんね。一時期はやっていたブラックハットSEO業者の営業電話の嵐に対しても、なぜそれらのサービスが必要ではないかを理解していただき、お引取り願うようアドバイスしてきましたが、今後も手を変え品を変え、忙しい真面目な人々を利用しようとする業者がやってくるでしょう。

ウェブに限らず、不安なことを相談できるコンサルタント兼友人。そういう存在に私はなりたい!

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